「バカッター」「バイトテロ」をやらかしたバイト店員への賠償金請求が人生終了レベルでエグい!
SNSの不適切な投稿が炎上した結果、店舗が営業停・閉店する、系列店が風評被害に遭う、売上げやブランドイメージが低下するなど、企業の被害は甚大です。
バカッター本人も解雇され、数千万円〜1億円を請求された上、ネットで名前や出身校が晒され進学・就職もできない社会的制裁を受けることになります。
まあバカが悪いんですが、ちょっとやり過ぎな気はしませんか?
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最低時給の働きなのに賠償金は1億円?
電卓で計算してみたんですが、時給800円のフリーターが1億円の賠償金を払うには64年間も働かなきゃいけないんですね。
なお生活費は勘定に入っていません。
いやいや、無理じゃん!!!
実際、本人だけでは払えず、親が財産を処分して支払うケースが多いようです。
役員報酬を年間10億円ぐらいもらってる人なら分かるけど、最低賃金で働いてるバイトに請求する金額じゃないですよね?
むしろ、取締役の方が賠償保険で守られている。
取締役の場合は、経営責任の賠償保険があるのに、バイトの場合は、リスクをヘッジする仕組みはなくて、親も含めて財産を丸ごと取り上げられるというのは、ちょっと公平でない感じがします。
もちろん悪さしなきゃいいんですけど、そこまで責任負わなきゃいけないんじゃオチオチ働けませんよね?
私がサインさせられた理不尽な業務委託契約書
フリーランスの業務委託でも、当たり前のように無制限の賠償責任を負う旨の契約書を書かされます。
私がとあるWeb記事を書く仕事をしたとき、原稿料は5万円でした。
業務委託契約書には「その記事のせいで会社に損害が生じたときは全額賠償しろよな!」の旨が記載されていました。
たとえばその記事が炎上して誰かに訴えられ会社に損失が出た場合、会社はライターに賠償させればよく、何らリスクを負わずに済むのです。
ズルいな、と思いました。
会社はライターに書かせた記事で集客し、ガッポリ儲けてもライターには何のインセンティブも発生しないのに、損したときだけライターに賠償請求ができるだなんて。
だいいち、編集者がチェックして掲載してるんだから、100歩ゆずって原稿料の返還請求ぐらいが妥当なのでは?
嫌だったら「この内容では契約できません」って交渉したら良いと思いますよね。
そうなんですが、悲しいかな無名なライターは掃いて捨てるほどいます。
ごちゃごちゃ面倒なことを言ったら「そうですか、ではご縁がなかったということで」って他の誰かに頼むに決まってるんだ。
ちなみに、アルバイトの場合は、雇用契約書の段階で損害賠償請求についての取り決めはできないことになっています(労働基準法第16条)が、損害賠償を請求をすること自体は禁止されていません。
バカッターに高額の賠償金は酷な理由
個人に対する高額な賠償金の請求といえば、電車を止めたり事故を起こしたりしたときの損賠賠償が思い浮かびます。
請求額は、単に遅延しただけなら100万円程度、車両の損害や犠牲者が出た場合には数千万円〜1億円を超えた事例もあるみたい。
これも請求される本人または遺族にとっては酷と言えば酷ですが、鉄道会社から見れば全くの他人から損害を被っている点がバカッターとの違いです。
バカッターを訴える企業は、身内に対して高額の賠償請求をしているのです。
「さすがに、ちょっと酷じゃない?」と思う理由を、以下にまとめました。
バイトテロ? 身内の不祥事だろ!
これまでにアルバイトによる不適切動画等の炎上事件が起きている会社は2019年だけでこんなにあります。
- すき家
- くら寿司
- ビッグエコー
- バーミヤン
- セブンイレブン
- ファミリーマート
- ドミノピザ
- はま寿司
全国チェーンの大企業ばかりですね。
業務委託のフリーランスならば「外部の人」なので、悪いことをされたら訴えてやる!っていうのも分かります。
でも、自社で採用したアルバイト店員がやらかしたことなのに、雇ってる側が「バイトテロだ!」なんて被害者ぶっているのは変じゃない?
会社には従業員教育・環境作りの責任がある
バイトテロをする従業員はネットリテラシーのないおバカさんですが、彼らを雇ったのは他でもない「会社」です。
お給料が高ければ、たくさんの応募者の中からバカを弾けますが、最低賃金で常に人手不足の状況ではバカでも雇わざるを得ません。
バカを安く雇ったからには、そのバカを教育し、またバカがバカをできない環境を作る責任が、会社にあるではないでしょうか?
もちろん「こいつは何かやらかすだろうな」と前もって予想はできません。
けれど、これだけ世間でバイトテロ事件が起こっているんですから、従業員への研修を強化や環境整備をする余地はあったはずです。
私が派遣で働いていたコールセンターでは、どこも最初の研修で情報の扱いについて徹底的な研修がありました。
個人情報を流出されると億の損害賠償請求が来て人生終わるぞ!とだいぶ脅されました。
また、データーベースを不必要に検索するのもダメ。芸能人や知人の名前で検索してはいけないし、自分の名前ですらダメ。
不自然な検索履歴があると上司から呼び出されて確認されます。
というか、そもそも名前だけでなく電話番号や住所・生年月日など複数の情報を入力しないと個人情報は表示できないようなシステムになっています。
こういった環境作りは飲食店でも可能です。
たとえばマクドナルドではバカッター事件が起こっていませんが、そもそも制服にポケットがないため物理的にスマホを持ち込めないのだそうです[1]。
店長の監督責任はどこまで?
現場のマネージャー、すなわち店長やバイトリーダー、教育担当者には責任はないのでしょうか?
まず、関係者に法的な責任はないそうです。
刈谷弁護士は「まず関係者に刑事責任はありません。民事上の責任についても“行為者に対して損害賠償を請求する”のが大原則です」と、企業側の人間については明確な賠償責任を否定する。(中略)
ただし、A君本人が冷蔵庫に入っている現場を目撃したにも関わらず、店長が見て見ぬフリをしていたならば監督責任が生じてくる。
うーん? 部下の不祥事って上司も責任を取る物じゃないの?
と思って調べてみたら、上司への処分は就業規則に記載されていることが前提なのだそうです。
つまり、予め「部下がこういうことをしたら上司の監督席にになって、これこれの処分がありますよ」と就業規則に記載されていないものは処分できません。
一般的には、上司の処分は「監督責任」が問われるだけなので、
処分の重さは「上司への処分 < 部下への処分」となります。しかし、
○ 部下の不祥事が刑事事件などの重大な違反
○ 会社に対して大きな損害をもたらすようなもの
○ 上司が不祥事を放置した場合
○ 上司の過失により発見が遅れた場合
などは、重い処分も考えられます。
たとえば、経理担当が約8,500万円を横領し、チェックしていなかった営業所長も監督義務違反で懲戒解雇となった判例があります(関西フエルトファブリック事件)。
解雇が妥当とされた理由は以下です。
Xさんは広島営業所長であり、その重要な管理職としての立場に鑑みてみれば、営業所の適正な経理業務を行うことをその職責とすることは、特段の根拠規定がなくても明らかである。
これらは、具体的な引継ぎや取り決めの文書化がないからといって、その認定が左右されるものではない。
この営業所長、Aさんとは長時間一緒に行動していて、月20万円しか給料をもらっていないAさんが飲食費を立て替えてるのに何の疑問も持たなかったらしいのです。
詳しくは書いてないけれど、キャバクラとかで豪遊してたのかな?
そのため「重大な過失とはいえ、ほとんど故意に近い」とされました。
バカッター事件でも、次のような場合には店長も監督責任を問われる可能性があるんじゃないでしょうか。
- 就業規則で部下がバカッターをやった時の処分が規定されている
- 部下のバカッター行為の現場で見て見ぬふりをした
- 普段から部下の悪ふざけを黙認していた
しかし実際には人手不足の大変な飲食業ですから、社員クビを切ることはあり得ないでしょう。
以上のことから、バカッター店員も確かに悪いし責任を負うべきだけれども、バカッター店員を監督していた店長、バカができる環境にしておいた企業側にも、多少は責任があると言えます。
大した教育コストも賃金も払わないくせに、何かトラブルがあったら本人を切って高額の賠償請求をして、「ゴメンネ!バカはクビにしたよ、再発防止に努めるよ!」ってペロッと謝罪文を掲載するだけなんて、会社側に都合が良すぎるんじゃありませんかね。
アルバイトは全額を弁済しなくても良いらしい
改めて、バカッターへの数千万から一億の損害賠償請求は妥当なのでしょうか?
労働関係法令では特に規定がなく、金額は青天井です。
ただし民法上の使用者責任から、全額弁済を求めることはできないそうです。
たとえアルバイトが重過失であったとしても、全額弁済を求めるのはムリと
いってよいかと思います。理由は先の「会社が責任を負う、会社に賠償請求がなされる」というケースで
民法上の使用者責任(民法第715条)をはじめとした規定・考え方が影響する
からです。これは、「報償責任の法理」といい、「会社は労働者を使用することで自己の
活動範囲を拡大し、多くの利益を収めているのであるから、会社の事業に伴って
生じる損害については、使用者が負担するのが公平」という考え方です。判例でも労働者に対しては「…損害の公平な分担という見地から信義則上相当と
認められる限度において、求償の請求をすべきである」
(茨城石炭商事事件 最高裁判昭和51.7.8)と判示されています。
上記の記事によると、軽過失では損害の0〜30%程度、重過失では50〜70%の間で労働者の賠償責任を認める判例が多いそうです。
企業にどの程度の損失が出て、何割を損賠賠償請求しているのかは分かりませんが、額は大きいけど割合は妥当だった可能性もありますね。
10億円の損害が出たのに対して「監督責任もあるから、賠償請求は1億円にしといてあげるね」のような。
「軽い気持ちの悪ふざけ」が、それだけ大きな損害を与えてしまうことを、個人は自覚するべきでしょう。
個人が社会にインパクトを与える時代
バカは昔からいました。
しかし、インターネットがない時代にバカが影響を及ぼせる範囲は、せいぜい地域コミュニティに限られていました。
バカがどんなにバカをやろうとも、ちょっとウワサになるぐらいで地方新聞に載るのも大変。
その地域で悪い評判が広まり就職できなくなったとしても、他県に引っ越せば心機一転やり直すことができました。
ところがインターネットが普及し、個人が影響力を持つようになりました。
もちろんバカにも。
ちょっとしたイタズラ行為に対して損害が大きすぎる
今、仲間内のちょっとした悪ノリでSNSにイタズラ行為の動画をアップすると、炎上お祭り好きのネット住民が嗅ぎつけて動画や写真をコピーし、瞬く間に拡散させます。
慌てて元の投稿を削除しても後の祭り。
ネットユーザーは全国にいますから、店舗や実名、出身校なども特定され晒されます。
「バイトテロ」と言われますが、本人は別に会社に恨みを持っているわけでも、世間に何かを訴えたいわけでもありません。
「餃子の王将社長射殺事件」や昔の「グリコ・森永事件」は明らかに企業に敵意を持った本当のテロですが、バイトテロは違います。
罪悪感すらなく単にふざけているだけにも関わらず、企業に甚大な被害を与えてしまうのです。
例えるなら、子供が手榴弾が何なのか知らずにキャッチボールしていて、うっかり家を爆破し、火の手が広がって辺り一体まで大炎上してしまったようなもの。
そして、悪いことにバカも1人1つスマホという手榴弾を持っており、使い方を教えるべき親や学校の先生は手榴弾に詳しくありません。
バカは手榴弾の使い方や危険性はほとんど教育されないままに、アルバイトに応募してきます。
企業に提言できることは…
- ちゃんと従業員教育する
- 物理的にバカできない仕組み・環境を作る
- 採用時にSNSアカウントをこっそりチェック【重要】
ぐらいですかね。Twitterとかインスタでバカっぽい投稿してる人をマークしておけば、何かやらかしたときに早期に対処ができるかと。
個人も会社にモノ申せる良い時代
バカを雇わないといけない企業にとっては大変な時代ですが、善良な市民にとっては個人が会社や世の中に対して影響力を持てる「良い時代」であるとも言えます。
前だったら誰にも聞こえなかったであろう個人のつぶやきを、今はインターネットの向こうで日本中・世界中の人が拾ってくれます。
昔、新聞の社説や声欄に投稿するのはハードルが高かったけど、今なら誰でも勝手にブログやらNoteやらに好き放題に意見を書き、発信することができます。
企業に気にくわないところがあれば暴露して、個人が企業にダメージを与えることができてしまいます。
もちろん、顧客情報や機密情報を漏洩したり、根も葉もないデマを流したりしたらダメですけど、批判や建設的な意見は自由です。
影響力を自覚し、もっと有益に使うべきではないでしょうか。
バカッターやっちゃった人もさ、せっかく有名になったんだから炎上ブロガーかYouTuberにでもなったら良いと思うよ!
見てるか分からないけど、生きてりゃ良いことあるよ!
バカッター店員への賠償金|まとめ
最低賃金で働いていたバカッターバイトに高額の賠償金を払わせるのは酷ですが、実は企業の損害はそれ以上。
使用者責任があるため、損害の一部しか請求できません。
ちょっとした悪ふざけが莫大な被害をもたらす、個人が影響力を持つ時代ならではの事件です。
言い換えれば、個人が情報発信できる良い時代でもあります。パワーを自覚し、上手に使いましょう。
とりあえずブログは書いておくと良いですよ。理由は以下の記事で。

一人でも多くの人に、人生をもっと楽しんでもらえたらいいな!と思い、このブログを書いています。
私たちは何人かで記事を書いていて、色々なメンバーが集まっています。
中には、4年前ぐらいまで、真っ暗闇のどん底の中にいた人もいるんです。
信じていた人に見捨てられ、寂しさを紛らわすように刺激的なゲームやネットの掲示板や動画を見まくり、一食にご飯を2合食べるほどの過食も止まらず、コンビニの袋だらけでゴミ屋敷寸前・・・!
それぞれ色々な問題を抱えていました。
ところが、私たちの先生であり、頼れる友人でもある佐藤想一郎さんに出会って、私たちの人生は全く逆の方向に回り始めました。
20代なのが信じられないくらい色んな経験をしていて知識も豊富なのですが、何よりも「良い未来」を信じさせてくれる不思議な言葉の力を持っています。
そんな想一郎さんのメルマガを読んで、次々と奇跡のようなことが起こっています。
たとえば、先ほど紹介したメンバーも、今は過食が治り、ライターとして独立、安定した収入を得て、一緒に成長していける仲間達とも出会たんです!
もっと多くの人に人生を楽しんでもらいたいという思いから、このブログでは、想一郎さんの無料メルマガを紹介しています。
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こんにちは、佐藤想一郎と申します。
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